「春の高山祭りと五箇山・善光寺2日間」 高山祭り・屋台



                山王祭の屋台は全部で12台。
                この内、神楽台・三番叟・龍神台は「お旅所」前広場に。
                他の屋台は上一之町通り・上二之町通り・神明町通りに曳き据えられている。
                国の重要有形民俗文化財で動く芸術品とも言われる屋台を間近に鑑賞できる。

 
1.神楽台

12台の屋台の先頭をきって登場する。直径118cmもの大太鼓を載せている。伝統の装束をまとった5人の楽人が屋台囃子を演奏し、獅子舞を付き従えて祭りの幕開けを高らかに告げる。翼を広げた金色の鳳凰や華やかな御所車が目をひく。



(お旅所にて)
 
2.三番叟

ぜひ見たい、からくり人形の動きを。
浦島の曲に合わせて、かわいい童が鈴と扇で所作を演じながら機関樋を進む。そして、箱に顔を近づけると、一瞬にして翁に早変わり。18条の綱によって操られた人形の巧妙な動きに魅せられる。



(お旅所にて)
 
3.龍神台

からくり人形の荒々しい演舞で人気。
壺を持った唐子があらわれ台の上に壺を置くと、中から壺より倍も大きい龍神が出現。紙吹雪を散らしながら、髪を振り乱して舞う龍神は32条もの綱を操る綱方たちによって命を吹き込まれている。



(お旅所にて)
 
4.石橋台

観客の注目を集めるからくり人形。
扇笠姿の美女が踊っているうちに打ちかけがめくれて、中から獅子頭があらわれるというもの。長唄「英執着獅子」を激しく舞った後、再び美女姿に戻るユニークな内容。
と、パンフに紹介されているが、この日の説明では打ちかけがめくれる、という動きはなくなったようでした。



(お旅所にて)
 
5.麒麟台

見所は、下段に配された谷口与鹿の「唐子群雄彫刻」。籠とその中の鶏は、一木をくりぬいて彫り上げられている。また、屋根飾りには金色の麒麟を載せ、台名通り、麒麟の意匠が多いのも特長。絢爛豪華と言われる屋台の中でも屈指の美しさがある。



(上三之町通りにて)
(写真を撮りそこないました)
6.恵比寿台

名工・谷口与鹿の彫刻作品を存分に楽しめる。手長・足長の像、手すりに配された人間の十面相を模した10頭の獅子。
 
7.崑崗台

中国の金の産地・崑崗に由来する屋台名の通り棟飾りには金幣が輝き、屋根の上のカブラ形の宝珠は金塊をあらわす。見送りは、寿老と鹿の図を描いた中国産の刺繍。さまざまな金色の飾りや機関樋の上に立つ唐子人形が、中国の風情を漂わせる。



(上三之町通りにて)
 
8.大国台

屋台の祭神は大黒天。上段の天幕の下、俵い座って小槌をふっている。また、この屋台の最大の特色は、前後左右に揺れる屋根の構造。屋台曳行の際は、美しくしなう動きを見せてくれる。ほかに中段の白彫りの飛龍、下段の獅子などの彫刻も見所。



(神明町通りにて)
 
9.青龍台

入母屋造りの屋根は、全屋台の中で唯一の形式。これは高山城天守閣を模したもので、棟の前後には金シャチが飾られている。また、台形は中段と二層の下段からなり、下段がほかの屋台の中段と同じ構造になっている。屋台の大きさは最大級を誇る。



(神明町通りにて)
10.五台山

華麗な獅子牡丹の刺繍幕は、円山応挙が描いたと伝わる下絵をもとに西陣で刺繍されたもの。その精緻な仕上がりは美術品としての価値を物語る。見送り幕でにらみをきかせるのは、幸野媒嶺の原画による雲竜昇天図。巨匠や名工の作品が屋台を飾る。


(上二之町通りにて)
11.鳳凰台(左) 

屋根にそそり立つ鉾は高さ237cm。棟飾りの鳳凰とあいまって個性的な表情を見せる。

12.琴高台(右)

あでやかな刺繍の緋幕が目に飛び込んでくる。欄間には鯉の彫刻、伊達柱には鯉の滝昇りの大金具が飾られるなど、「琴高、赤鯉に座し来る」という誇示にちなんだ意匠が満載。

(上二之町通りにて)




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