読書日記

平成15年1月〜3月

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「外国切手に描かれた日本」(内藤陽介・光文社新書)

切手を中心とした郵便資料を用いて、国家と社会、時代や地域のあり方を読み解く研究「郵便学」者。
その内の、切手のデザイン面から、国家のメディアとしての側面に主眼を置いて分析している。
昭和30年代の中高生時代に一時切手収集を経験した過去を振り返ると、本書は新鮮な視点を与えてくれた。
しかし、そこで展開される歴史学・社会学・政治学・国際関係論・経済史・メディア研究それぞれの深さには
若干の通俗性の匂いが感じられる。若さと円熟の葛藤を感じた。(4月2日(水)←3/20)



3月4日(火)宮脇俊三氏逝く。

78年「時刻表2万キロ」に感銘を受け社内報で紹介して以来全著作を読んできた。
ただの汽車好きでなく、エスプリの効いた大人の文章の書き手として一時代を築いた人だった。


「サルは冬をどうのりこえているか」(和田一雄・農山漁村文化協会)図

 久しぶりのニホンザルに関する本。志賀高原地獄谷の観察を中心にまとめている。
樹皮食などで冬を越すのは大変だろうと思う。ニホンザルの起源、餌付けの功罪についても論じている。3月4日(火)



「東京育ちの京町家暮らし」(麻生圭子・文芸春秋2000.7)図

 前作「東京育ちの京都案内」の「京町家に住みたい」の続編で、町家を探し、直していく過程・顛末を纏めたもの。
現代では住みにくくなっている町家に対して好き勝手を言われる京住人の言い分を聞いてみたい。
が、金をかけても住みなしていこうという熱意にも感嘆してしまう。3月4日(火)



「旅行記でめぐる世界」(前川健一・文春新書)

 これからの読書ガイドになると思い、上越の文教堂で購入。本書でとりあげられている本の内、
昔の本を中心に1/3位は読んでいる。良心的な内容。
とりあえず港南図書館で在庫チェックをして読破していこう。2月28日(金)



「リンボウ先生 ディープ・イングランドを行く」(林望・文芸春秋)図

 リンボウ流イギリスの旅。いいなー。写真もいい。2月21日(金)



「ヒマラヤはどこから来たか」(木崎甲子郎・中公新書)図

 インド大陸がユーラシア大陸に衝突・沈み込んでいくダイナミックな動きを追う。
ちょうど講習を受けている神奈川の地形が形成される過程と重ねてよく理解できる、おもしろい。2月20日(木)



「オール読物3月号」茂七の事件簿(宮部みゆき)、御宿かわせみ(平岩弓枝)を港南図書館で読む。2月18日(火)


「テスタメント」(グリシャム・文庫)

 TVで見たパンタナールの情景を想像しながら読む。グリシャムらしからぬ冒険小説風。
 法廷のやり取りが少なく物足りない。2月12日(水)



「インポケット」で時間稼ぎ。佐藤雅美の連載がおもしろそうだが。1月28日(火)



「わたしのチベット紀行―知恵と慈悲に生きる人たち」(渡辺一枝・文庫)

 川喜多二郎の風葬の記録がきっかけで"チベット"というアダナで呼ばれた、というシーナのかみさん、
似たもの夫婦なんだ。1月24日(金)



「俳句と川柳」(復本一郎・講談社現代新書)

両者の違いは"切れ"の有無、という説はわかりやすい。
 俳句:「飛躍切部」一句の完結性と二重構造の確保と両者の距離が遠いほど面白い。
 川柳:「穿ち」による対象把握の面白さ。1月17日(金)



「AV男優」(家田荘子・文庫)

 同種の「AV女優」にくらべると家田にテレがあり、彼らの心への切り込みが足りない。1月10日(金)



「進化の隣人 ヒトとチンパンジー」(松沢哲郎・岩波新書)

 去年4〜5月に放送されたNHK人間講座「進化の隣人チンパンジー、アイとアユムと仲間たち」のテキストを修正加筆したもの。
アイプロジェクトの息長い実績が俯瞰できる分りやすい本。1月6日(月)



「添乗員騒動記」(岡崎大五・文庫)

 同じ著者のスイス添乗記の圧縮版の感じで世の中にはいろいろな人がいるものと感心させられる。
思えば我らスイスご一行様は模範的紳士淑女グループだったのだろう。1月3日(金)


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